【効果なし?】スノボのホットワックスとは?初心者にこそ必要な理由とメリットを解説

  • スノボのホットワックスって必要?
  • ホットワックスの効果やメリットを知りたい
  • ホットワックスなしでも大丈夫?

ホットワックスとは、スノーボードの滑走性能を最大限に上げるための作業のことです。初心者の人は「スピードを出さないからやらなくていい」「スプレーや塗るタイプで十分」と思っている人も多いですが、実はホットワックスは初心者にこそ必要です。

滑走性を高める以外にもさまざまな効果やメリットがあり、スノーボードの安全性や上達スピードにも影響します。この記事ではスノボ歴15年以上の管理人が、ホットワックスの効果やメリット、初心者にこそ必要な理由を解説します。

この記事でわかること
  • 初心者こそホットワックスが必要な理由
  • ホットワックスの効果とメリット
  • スプレーや塗るタイプとの違い
目次

ホットワックスとはボードの滑走性を高める作業のこと

スノーボードのホットワックス(ホットワクシング)とは、専用のアイロンを使い、固形のワックスをボードの滑走面に浸透させる作業のことです。アイロンの熱でワックスを溶かしながら、板にワックスを塗っていきます。

滑走面にワックスを浸透させることで、雪面との摩擦を軽減し、スノーボードの滑走性能を大幅にアップさせることが可能です。雪の水分や汚れからボードを保護し、寿命を伸ばす効果もあります。 

ホットワックスは主に、スノーボードショップやスキー場内のメンテナンスセンターなどでやってもらえます。ほとんどの場合はスノーボードショップが板のメンテナンス全般を請け負っており、ボードの購入時などにホットワクシングも同時に対応してくれます。

 

最近では自分でも家で簡単にホットワックスができます。ワクシングに必要な道具や説明書などがすべて含まれたセット商品も販売されており、専門ショップにボードを持っていく手間が省けます。

ホットワックスの主成分は油とフッ素

製品の種類によって多少異なりますが、ホットワックスの主成分は油とフッ素です。雪の水分を弾いたり、摩擦を低減したりする効果があるので、板が滑りやすくなります。

ワックスが板をコーティングすることで板を保護し、雪の不純物や汚れからもボードを守ります。気温や雪質に応じた種類があるので、それぞれの条件に適したものを使用することが大切です。

ホットワックスに必要な道具

ホットワックスをかけるには、適切な道具の準備が必要です。最低限必要なものは以下のとおりです。

  • ホットワックス(固形)
  • アイロン
  • クリーナー
  • スクレーパー
  • キッチンペーパー
  • ワクシングペーパー
  • ナイロンブラシ

それぞれの道具を正しい順番で使用することで、板にホットワックスを行えます。ただし、正しいやり方で行わないと、効果がなかったり板を傷つけたりする場合もあるため注意してください。ホットワックスの正しいやり方と必要な道具については、以下の記事で詳しく解説しました。

初心者こそホットワックスが必要な理由

スノボ初心者の人は「スピードが出そうで怖い」という理由から、ホットワックスをしなくても大丈夫だと思っている人も多いです。しかし、初心者こそホットワックスをかけるべきです。 

ホットワックスは板の滑走性を高めるものですが、滑走性とは単にスピードが出るということではありません。板のコントロール性やライディングの快適性のことも指します。

初心者こそホットワックスが必要な理由は以下のとおりです。

  • スノボの上達スピードが早くなる
  • 疲れやストレスが軽減される
  • 安全性が高まる

スノボの上達スピードが早くなる

板の滑走性が高まることで、スノボスキルの上達スピードが早くなります。ボードの操作性が上がることで、雪面の感覚を掴みやすくなるため、操作技術も向上しやすいです。滑りが良くなると、ターンやバランス感覚の練習にも集中でき、スキルの取得効率が高まります。

逆にボードの滑走性が悪い場合、足の力だけでボードを無理矢理操作したり、変なクセがついてしまったりする可能性があります。ボードの滑走性は、スノボ初心者の上達スピードに大きく影響します。

疲れやストレスが軽減される

ワックスをしていると滑りが軽くなるので、無駄な力を使わずに滑ることができ、体力を温存できます。初心者は体の使い方が未熟で、力任せに滑ってしまいがちですが、ワックスによるスムーズな滑りで無駄な力を使わずに済み、疲労を減らせます。

疲れにくい状態が維持できると、スノーボードの練習に多くの時間を費やせるため、結果的に上達スピードも早くなります。

滑走性が悪いとボードが途中で止まったり、雪面に変な引っ掛かりを感じたりするので、無駄に体力を消耗しストレスも溜まりやすいです。ホットワックスは、スノーボードの疲れやストレスを減らすためにも初心者におすすめです。

安全性が高まる

滑走性能が上がることで安定した滑りが可能になり、転倒や怪我をするリスクも少なくなるため、スノーボードの安全性が向上します。ワックスをすることで、ボードが雪面をなめらかに滑るようになり、少ない力でターンや方向転換が可能になるので、逆エッジにもかかりにくくなります。

転倒が少なくなると、結果的に疲れやストレスの軽減にもつながります。スノーボードの安全性を高めるためにも、初心者はホットワックスをしておくことがおすすめです。

ホットワックスの効果とメリット

ホットワックスをすることで、スノーボードにおいてさまざまなメリットが生まれます。ホットワックスの効果とメリットは以下のとおりです。

  • 滑走性の向上
  • 板の保護と耐久性の向上
  • コストの削減

滑走性とパフォーマンスの向上

滑走性が向上する

ホットワックスの一番のメリットはやはり滑走性の向上です。滑走性の向上とは単にスピードが出るということではなく、板のコントロール性のことも指します。ワックスによって余計な摩擦や引っ掛かりも低減するので、板のターンやフリーラン、グラトリなど、全体的な操作性とパフォーマンスが向上します。

操作性が上がれば転倒や怪我のリスクも下がり、疲れやストレスの低減効果もあります。滑走性が悪い場合、板を回す際やターン時に余計な力が入っていたり、平らな場所ではボードが途中で止まってしまったりすることもあるので、無駄な体力を消費してしまいます。

ターンやエッジングの制御が向上し、より繊細な感覚を掴みやすくなるため、上達スピードも早くなります。ホットワックスによって滑走性が良くなることで、疲れやストレスが低減し、より快適なライディングにつながります。

板の保護と耐久性の向上

ホットワックスには、板の保護と耐久性の向上効果もあります。板にワックスで薄い膜をコーティングすることで、雪の汚れや不純物の付着、摩擦による細かい傷や汚れを防止することが可能です。

ワックスは水を弾く性質もあるため、ボードの金属部分のサビを防ぐ効果もあります。板の汚れや傷は滑走性にも悪影響を及ぼすので、ワックスできちんと板を保護し、寿命を伸ばすことが大切です。

実はボードが滑らなくなる一番の理由は、汚れや傷が原因だと言われています。

コストの削減

ホットワックスには道具が必要なので、コストがかかると思う人も多いです。しかし、適切にホットワックスを行うことで、長期的にスノーボードにかかるコストを削減できる可能性があります。

ホットワックスは板の滑走性やパフォーマンスを上げるだけでなく、外部からの汚れや傷を防ぐ効果も大きです。滑走面の劣化を防ぎ、ボードの寿命が伸びることで、買い替えや修理の頻度が下がります。

状態の良いボードは、メルカリなどのフリマサイトでも高額で売れることが多いです。

ホットワックスは最初の手間はかかりますが、効果は数日間持続するので、毎回かける必要はありません。塗るタイプやスプレータイプのワックスは毎回かける必要があり、手間がかかります。ホットワックスは長期的に見ると、買い替えのコストや手間の削減効果が大きいです。

ホットワックスなしでも滑れる?

スノーボード初心者の中には「ホットワックスなしでも滑るのか不安」という人も多いです。ホットワックスはボードの滑走性を高めるために重要ですが、なしでも問題ない場合があります。

ホットワックスなしでスノボに行こうか悩んでいる人は、以下のポイントを考慮して判断してください。

  • 滑走性はボードの性能にも依存する
  • 滑走性は雪質や環境によっても変わる
  • 簡易ワックスでカバーできる場合もある
  • 滑りにくい状態での練習も上達に役立つ

滑走性はボードの性能にも依存する

スノーボードの滑走性はワックスの有無だけによって変わるのではなく、ボード自体の性能や使用度、使い方などによっても大きく変わります。そもそもボードの滑走面は、雪面を滑りやすい素材でできており、快適に楽しめるように設計されています。

ボードによって使わている素材や形状、構造などの性能が異なります。ボードの基本性能が高ければ、ホットワックスなしでも十分な滑走性を発揮してくれます。

もちろん性能が悪いボードは滑りにくい場合もありますが、ホットワックスなしでも全く滑らないということはありません。ボードの形状や種類については以下の記事で詳しく解説しました。

滑走性は雪質や環境によっても変わる

スノーボードの滑走性はスキー場の雪質や気温などの環境によっても大きく変わります。 雪質によっては、ホットワックスなしでも十分に滑ることがあります。ホットワックスなしの場合の、雪質と滑走性の関係は以下のとおりです。

雪質滑走性
アイスバーンホットワックスなしでも滑る
新雪・パウダー少し滑りにくい
シャバ雪ほぼ滑らない
ホットワックスと雪質の関係

カチカチのアイスバーンであればホットワックスなしでも滑りますが、新雪のパウダーや雪が溶け出したシャバ雪だと、ホットワックスなしだと少し滑りにくいです。

簡易ワックスでカバーできる場合もある

スノーボードに使用するワックスには、塗るタイプやスプレータイプなど、簡易ワックスと呼ばれるタイプも存在します。簡易ワックスのメリットは、ホットワックスに必要な道具のコストや時間、手間を削減できることです。

ただし簡易ワックスは、ホットワックスに比べると滑走性は劣ります。最近の簡易ワックスは性能もかなり良くなってきているので、ある程度の滑走性さえあれば良いという人は問題ありません。

スピードにはこだわらないという人や、年に1、2回しかスノボに行かないという人は、簡易ワックスでも十分にスノボを楽しめます。ただし簡易ワックスは毎日塗り直す必要があり、板の保護や寿命を延ばす効果も弱いので注意してください。

滑りにくい状態での練習も上達に役立つ

ホットワックスなしの状態では滑走性がやや落ちる場合がありますが、滑りにくい状態での練習もスノーボードの上達に役立つ場合があります。

板のスピードは、身体の使い方や滑り方の工夫によっても出すことは可能です。「どうすればスピードが出るのか」を考えて滑ることで、身体の使い方やボードの操作を覚えられ、スキルの上達につながります。

上級者はワックスが多少落ちてきても、身体の使い方や滑り方の工夫によってスピードを出します。また、板が走らないなら走らないなりの楽しみ方も知っています。

まとめ:ホットワックスは初心者にこそ必要

ホットワックスによって滑走性を高めることで、スノーボードの上達スピードが早くなり、疲れやストレスの軽減、安全性を高める効果もあります。さらに板の保護や耐久性を向上させる効果もあり、スノーボードの寿命を伸ばしてくれます。 

ホットワックスは専門のスノーボードショップでする必要があると思っている人も多いですが、最近では自分でも家で簡単にできます。一度やり方を覚えると簡単になるので、ぜひホットワックスを試してみてください。

ワックスのブランドやメーカーにもいくつかありますが、スノーボード用のワックスとして最も有名な「GALLIUM(ガリウム)」というブランドがおすすめです。ワックスの道具が一式揃ったセット用品も安く販売されています。

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この記事を書いた人

スノーボードを15年以上続けてきた経験と、スノーボードの良さや魅力をもっと多くの人に届けたいという思いから、スノーボードに関する様々な情報を発信しています。
主に初心者向けにスノーボードギアの選び方や、初心者の悩みを解決するような情報を発信しているので、当サイトを通じてスノーボーダーがもっと増えれば嬉しいです(^ ^)

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