- グラトリの種類が知りたい
- 初心者は何から練習すればいい?
- グラトリのおすすめの練習方法が知りたい
スノーボードにはさまざまな滑走スタイルがありますが、グラトリは最も人気のあるスタイルです。初心者や女子でも手軽に練習できて安全なうえ、上級者になればカッコいい技や派手なトリックも可能です。ただし一言でグラトリといっても、さまざまなスタイルやトリックが存在し、技の種類だけでも細かく分類すると100種類以上もあります。
この記事では、グラトリの種類をカテゴリー別に分類し、参考動画も載せてわかりやすく解説します。練習方法も紹介しますので、これからグラトリを始めようとしている人や、スノボの勉強をしている人の参考になれば嬉しいです。
そもそもグラトリとは
グラトリとは、「グラウンドトリック(Ground Trick)」を略した言葉であり、名前のとおり、緩やかな平地で行うトリックやスタイル全般のことです。
ジャンプ台やジブ(レールやボックス)などは一切使用しないため、ゲレンデの空いてるスペースならどこでもできます。怪我のリスクも低いため、初心者や女性でも手軽に始められるのが特徴です。
グラトリは少しの体重移動やタイミングでトリックの成功可否が変わり、追求すればするほど奥が深くおもしろいジャンルです。最近ではますます高レベルな技も生まれており、トリックのバリエーションも広がっているので、ぜひグラトリを学びスキルを磨いていってください。
グラトリの種類・ジャンル
グラトリには、ボードの反発を使ってジャンプしたり、片足を浮かせたままオシャレなトリックをしたり、エッジを使った派手な高回転トリックをしたり、他にもさまざまなトリックが存在します。
グラトリのジャンルは大きく以下の種類に分類されます。
- 弾き系(スピン系)
- 乗り系(バター系)
- ラントリ
- 3Dトリック
- ワンフット
一般的によく見るグラトリの種類は、弾き系(スピン系)と乗り系(バター系)の2種類です。最近ではより高度なグラトリとして、ラントリや3Dトリック、ワンフットというジャンルのグラトリも流行ってきています。
初心者は、弾き系か乗り系から練習を始めるのがおすすめです。それぞれのジャンル別に、グラトリの技やトリックを詳しく解説します。
弾き系(スピン系)
弾き系のグラトリは、板の反発を利用してジャンプしたり、雪面に板のエッジを引っ掛けて回転したりするグラトリのジャンルです。スピン系とも言われます。代表的な弾き系(スピン系)のトリックは以下のとおりです。
- オーリー:前足(ノーズ)を上げて板をしならし、反発を利用して後ろ足でジャンプする技
- ノーリー:後足(テール)を上げて板をしならし、反発を利用して前足でジャンプする技
- ノーリースピン:ノーリーでジャンプする際に板のエッジを利用し、回転して跳ぶ技
- 回転数により360、540、720・・と難易度が上がっていく
- 回転する方向によりフロントサイド(FS)とバックサイド(BS)がある
- ノーリーロック:ノーリースピン中に空中で一瞬板を止める
- アンディ:180度半回転(ピボット)し、スイッチ状態になってからノーリーバックサイド(360 or 540)に繋げる技
足の力や体重移動によって板を曲げたときに起こる、しなりや反発の力を利用します。上級者になると、かなり高さのあるジャンプや、高回転のトリックを生み出せます。
弾き系のグラトリを上達させるには、まずはオーリーやノーリーといった基礎から練習しましょう。ノーリーやオーリーの応用として、高回転なノーリースピン(ノーリー720など)やアンディ(520以上)などの上級トリックにつながります。
派手な高回転トリックはかっこいいので、初心者は憧れます。弾き系のグラトリはタイミングが非常に重要なトリックが多いので、何度も反復練習してコツを覚えることが重要です。
乗り系(バター系)
乗り系のグラトリは、板のノーズ(前側)またはテール(後側)に重心移動することで、板をプレスしたり浮かせたりして行うグラトリのジャンルです。バターナイフでバターを塗るような動きに見えることから、バター系とも言われます。代表的な乗り系(バター系)のトリックは以下のとおりです。
- プレス:板のノーズ(前側)またはテール(後側)を浮かせる技。脚力で足を上げるのではなく、地面を押すことによって反対側のトップが勝手に浮くイメージです。
- ドライブスピン:エッジを利用し、ジャンプせずに回転する技。重心移動により身体の軸を作り、水平にスピンします。
- オーウェン:プレスをしながら270度回転し、足を逆足に乗せ替えてさらに270度スピンします。弾き系の技術も入っており、グラトリの基礎が詰まった技です。文章で説明するのは難しいので、動画を見てみてください。
弾き系のような派手さはないですが、滑走中にさらっと乗り系のグラトリをするとオシャレでカッコいいです。
ラントリ
ラントリとは、中高速で行うグラトリのことです。通常のグラトリでは基本的に低速スピードで行うトリックが中心ですが、ラントリはカービングの要素も含み、スピードを利用したトリックをおこないます。
代表的なラントリは以下のとおりです。
- ドルフィンターン:ドルフィン(イルカ)のように、板のテール(後側)をバタバタと浮かせながら行うターン
- リバースターン:ターン中にBS180度回転し、反対側(山側)を向いて滑走する技。反対のヒールリバースという技もある
- ビッテリーターン:身体を雪面に倒し込み、寝かせながらターンする技
ラントリは、グラトリライダーのいぐっちゃんが広めたと言われており、ここ数年で急激に流行ったグラトリのジャンルです。
3Dトリック
3Dトリックとは、縦回転を加えたグラトリのことです。緩やかな平地で、キッカー(ジャンプ台)などを使わずに縦回転を加えるのはかなり上級者のトリックです。相当な練習をするか、運動神経がよほど良くないと難しいトリックになります。代表的な3Dトリックは以下のとおりです。
- フリップ:縦に回転する技の総称。フロントフリップとバックフリップがある。
- ロデオフリップ:フリップに横回転を加えた技。回転方向や回転数により、フロントサイドロデオ540などと呼ばれる。
- ロデオアンディ:180度半回転(ピボット)し、スイッチ状態になってからフロントサイドロデオにつなげる技。(アンディに縦回転を加えた技)
3Dトリックができるようになると間違いなく上級者です。周りからもかなり注目されるようになるので、自信のある人は目指してみてください。
ワンフット
ワンフットとは、片足のビンディングを外したまま行うトリックのことです。あまり目立つトリックではありませんが、リフトから降りた際や、少しの距離を移動する際にさらっとやるとオシャレです。
ワンフットオーリーやワンフットスピンと呼ばれる技があり、バランス感覚が重要なトリックです。上級者になるとワンフットのままキッカー(ジャンプ台)に挑戦し、飛びながら片足を前に伸ばすというようなこともできます。
【レベル別】グラトリの練習方法
グラトリには、派手な技やオシャレな技など、100種類以上のさまざまなトリックが存在します。技のレベルも初心者〜上級者まで非常に幅広く存在するので、自分のレベルに合ったグラトリを練習することが大切です。
初心者がいきなりハイレベルな難しいグラトリに挑戦しても、基礎ができていないと成功は難しいです。無理な動きをすると怪我のリスクも高まります。派手なトリックはカッコいいですが、いきなり難しい技に挑戦せず、焦らずに一つずつステップアップしていくことが大切です。
初心者
初心者はグラトリに必要な動きやバランス感覚など、基礎をしっかりと身につける必要があります。なだらかな斜面でしっかりと滑れることが前提で、徐々に身体の使い方を覚えていきましょう。
初心者は以下の技から練習することがおすすめです。
- オーリー
- ノーリー
- プレス
オーリーやノーリーは、グラトリの基本中の基本です。ボードのしなりを意識し、反発をもらう感覚を掴みましょう。足の力ではなく、反発を利用して跳び上がるイメージです。
プレスも乗り系(バター)トリックの基本動作です。ボードの前後どちらかを持ち上げた状態を維持してください。足の力で持ち上げるのではなく、体重移動によって身体を傾けることで、ボードが勝手に持ち上がってくるようなイメージです。
中級者
中級者はグラトリの基礎技術から発展し、よりグラトリらしい技に挑戦していきます。オーリーやノーリー、プレスといった技の感覚が掴めたら、以下の技にも挑戦してみましょう。
- ノーリースピン(180,360)
- ドライブスピン
- アンディ
- リバースターン
ノーリースピンは、ノーリー時の板の反発を利用して回転する技です。グラトリの代名詞ともいえる技で、上級者になると空中で2回転(720°)、2回転半(900°)と回転ができます。
中級者はまずノーリーで半回転(180°)してみましょう。視線はまっすぐ前を向いたまま半回転し、逆足(スイッチ)でスムーズに着地するイメージです。慣れてきたら、1回転(360°)やアンディにも挑戦してください。
ドライブスピンもグラトリ中級者に重要な技です。ノーリやオーリーとは違いボードの反発を使わずに、ボードのエッジと身体の捻りを利用して回転させる技です。上半身と下半身の連動や、正確なエッジコントロールが必要なトリックなので、上級トリックに必要な感覚を掴めます。
上級者
上級者のグラトリでは、より繊細なボードコントロールと正確なタイミングが重要になります。高回転のダイナミックな技やオシャレな連続技など、さまざまなグラトリに挑戦できます。以下の技ができるようになれば、グラトリ上級者と呼んでも問題ないでしょう。
- ノーリースピン720以上
- アンディ540以上
- ノーリーロック
- オーウェン
- ビッテリーターン
- 3Dトリック
- コンボ技
上記のグラトリは一朝一夕でできる技ではありませんが、成功したときの嬉しさや喜びもとても大きいので、グラトリが好きな人はぜひ挑戦してみてください。
グラトリは適切なギア選びが重要
グラトリの種類によって、板に求められる特性や性能も変わります。スノーボードの板は、形状やフレックス(硬さ)、重さ、サイズ、ブランドなどさまざまな種類があり、自分のやりたい技やスタイルに適したボードを選ぶことが重要です。
グラトリボードの選び方とおすすめブランドについては、以下の記事で詳しく解説しました。
板だけでなく、ブーツやビンディングの性能も関係してきます。ブーツやビンディングにも形状やフレックスなどの性能があり、やりたい技やスタイル別に適性があります。自分のパフォーマンスを最大限に発揮するためには、適切なブーツとビンディング選びも重要です。
グラトリに適したおすすめのブーツとビンディングついては、以下の記事でそれぞれ詳しく解説しました。
まとめ:自分のやりたいスタイルを見つけよう
グラトリにはさまざまなジャンルや技の種類があります。弾き系(スピン系)や乗り系(バター系)が一般的ですが、1つにこだわるのではなく、複数のスタイルに色々挑戦してみて、自分の得意なトリックを見つけてください。
やりたい技や目指すスタイルなどは人それぞれ違いますが、グラトリは基礎の詰め合わせです。Youtubeなどでハウツー動画を観たり、上手い人にアドバイスをもらったりすることで、徐々に上達します。
どのジャンルにも魅力があるので、ぜひグラトリのスキルをとことん磨いて、存分にグラトリを楽しんでください。どうしてもグラトリが合わないという人は、他のスタイルを磨くのも一つの方法です。
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